コラム
(概要)
ものごとにはたいてい長所・短所があります。しかし、長所とならない短所はなく、短所とならない長所もない、とも言われます。平屋建ての長所・短所を見てみましょう。
(本文)
平屋建てのメリット
平屋建ての長所、メリットは何でしょう?
まず、あげられるのは「シンプル」ということでしょう。一つの平面にすべてが収まるわけですから、そこからさまざまなメリットが生まれます。
たとえば毎日の生活に必要な「掃除」。2階建てのように下の階を掃除して続いて階段をあがって2階の掃除しなければならない、ということがありません。
また、洗濯物の干場を2階のベランダに設けた場合、そののぼりおりは大変ですが、平屋建てにはそうしたことがありません。以下、まず、平屋建てのメリットを見てみましょう。
(1)バリアフリー
平屋建ては、2階建てのように縦の動線がなく、生活のための動線をすべて横につなぐことができ、とても暮らしやすい住まいを実現することができます。
設計によっては、エントランスから部屋の中まで、すべて段差をなくしたバリアフリーの住まいをつくることもできます。階段はバリアーそのものと言えますから、この点は平屋建ての大きなメリットです。
(2)冷暖房の効率
冷暖房設備は、暮らしやすい住まいに欠かせないものです。平屋建ては2階建てにくらべ、生活空間そのものがコンパクトなため、冷暖房の効率がよく、エアコンの設置台数もぐっと減らすことができます。エアコンの初期投資額を抑えることができますし、ランニングコストも抑えることができます。
(3)風通し
エアコンによる温度・湿度の調節は生活に必須ですが、やはり自然の力は大きいですね。
2階建てで、上下の空気の循環をうまく行うには窓の高さや大きさなど、さまざまな工夫が必要になりますが、平屋建ての場合、昔の日本家屋と同様、南北や東西に設けた窓を開け、部屋の仕切りを開け放したりすることで、家全体に風をいきわたらせることができます。
(4)コミュニケーション
また、平屋建てには家族間のコミュニケーションがとりやすいというメリットがあります。
ある調査によれば、小学校低学年の子供が家の中で一番好きな場所はリビングです。平屋建ては一つの平面に子供部屋がありリビングがあるという生活になりますから、家族が顔を合わす機会が増えるのではないでしょうか。
平屋建てのデメリット
続いて、平屋建ての短所、デメリットを見てみましょう。
(1)コストが割高
同じ敷地に2階建てを建てる場合と平屋建てを建てる場合を比較すると、やはり平屋建ての方がコストが割高になります。
しかし、これは部屋数や部屋の広さ分を両方とも同じとした場合です。あらゆる条件で比較しても平屋建ての方が割高と言うことではありません。ただ実際問題として、平屋建ては2階建てにくらべ面積が必要になりますから、その分、割高になる可能性はあります。
(2)防犯対策が重要
家の防犯対策は平屋建て2階建て問わず重要ですが、たとえば洗濯物を外に干す、寝るときに窓を開けるといった場合、平屋建ては2階建てにまして防犯対策が必要と言えます。庭に洗濯物を干すのは家に自分や家族の誰かがいるときだけにする、また、侵入者に備えた防犯対策をしっかりする必要が出てきます。
(3)日当たり
平屋建ては縦ではなく横に広がりを持つ形になります。そのため設計段階で十分に考えておかないと、日当たりがよくない部屋が出ることも考えられます。採光は生活にとって重要な問題ですから十分考える必要があります。
(4)プライベートな空間
平屋建ては一つの平面で家族全員が生活するわけですから、上下階に分かれて夫婦、子ども、同居する親世代の部屋を設けるなど、個々のプライベートな空間を確保することが難しいというデメリットがあります。
しかし、平屋であっても中庭を設けてそれを境界にしてプラベートな空間と家族みんなで集う空間を分けるなどのプランニングが可能です。設計段階で専門家と十分話し合うことをおすすめします。
なぜ平屋建てにするのか
平屋建てのメリット、デメリットについて見てきましたが、最初に申し上げたように、長所(メリット)とならない短所(デメリット)はなく、短所とならない長所もありません。たとえば、家族のコミュニケーションがとりやすいというメリットは、プライベートな空間が確保しにくいというデメリットともなります。
要は「なぜ平屋建てにするのか」という点にかかってくるのではないでしょうか。そして、その点を突き詰めていくと、「自分にとっての家とは何か」ということになると思います。
私ども森大建地産はこれまで多くの「住まい」を建ててまいりました。もちろん平屋建てもありますし、2階建て、3階建ての住まいもあります。
しかし、どの住まいにも私どもが共通して思っていることは「長く安心して暮らせる住まいづくり」ということです。
そして、そのために必要なことは、私たちの技術力はもちろんのこと、お客さまのご要望に耳を傾けることだと思ってきました。家づくりの基本はそこにあると考えています。平屋建ての住まいをご検討であれば、ぜひ私どもにご相談ください。