コラム
脱臭と調湿で住宅の顔 玄関をより理想の空間に
玄関を家族用と来客用に分けて、家族用玄関に収納スペースを設けると、見た目がスッキリとした使い勝手の良い快適な玄関空間ができあがります。そのとき、子育て住宅の玄関に取り入れたいのが、「イオン発生機」と「調湿建材」。
イオン発生機は、壁や天井に埋め込んで取り付けるものが多く、玄関の雰囲気を壊すことも場所をとることもありません。消臭剤をおくより、見た目がスッキリとしておすすめです!気になる玄関の匂いをとってくれるので、「子どもの汚れと主人の靴の匂い・煙草の匂いで、我が家の玄関って匂う……?」なんて心配がいりません。最近では、電球と同じようにソケット式になっているイオン発生機があるので、専門業者による工事不要で、自分で取り付けることができる場合もあります。これから住宅を建てる方だけでなく、全ての方に知っていただきたい設備機器の1つです。
調湿建材は、書いて字のごとく湿度を調節してくれる機能をもった建材のこと。玄関の調湿建材は、主に壁材として用いられます。湿度を調整して快適な玄関を保つだけでなく、こちらにも匂いをシャットアウトする力があるので、イオン発生機と併用すればそのパワーは2倍に。調湿建材は、玄関のみならず、住宅のどの部屋においても活躍します。匂いが発生しやすい台所回りや、トイレに採用するのもいいですね。調湿建材には、人工的なものと自然的なものがあります。自然的なものには、珪藻土(植物性のプランクトンが化石化したもの)などが挙げられます。調湿や消臭に加えて、断熱や防火の性能をもっているとされている優れものです。
2011年に発表された「全国 年平均相対湿度ランキング」では、三重県は47位中11位で高湿度の県とされています。湿度は高すぎても低すぎても人に影響を与えます。上手に付き合って、快適な住宅を手に入れましょう。
参考:http://www.japan-now.com/article/188393925.html
全ての部屋に採用したい腰壁
壁つながりでご紹介しておきたいのが、「腰壁(こしかべ)」です。腰壁とは、床から900mm程度の高さにまで貼った板材仕上げのこと。床から900mmの高さまでは、汚れや傷ができやすい場所とされており、子育て住宅にもってこいの仕上げです。壁紙を貼るだけと比べると、施工費は高くなりますが、汚れや傷がつきやすい空間とどちらが良いでしょうか?また腰壁のある部屋は、ヨーロピアン調で格式高く見栄えするという特徴があります。
メンテナンス・お手入れいらずの外壁
住宅の外壁の種類には、「サイディング」「モルタル」「ALC」「タイル」などがあります。サイディングとは、板状に形成された外装材を並べて貼り付けることで外壁を作る方法で、現在約8割の住宅が、この方法で外壁が作られていると言われています。
この中でも、タイル張りの外壁は、お手入れ不要なため、子育て世代の住宅におすすめです。一般的な住宅の外壁は、10年程度で塗り替えが必要ですが、タイル張りの場合には環境がよければ倍以上長持ちすることも。
また、「セルフクリーニング機能」が付いた外壁材もあります。セルフクリーニング機能とは、雨水を利用して外壁自体が汚れをはじいてくれる機能のことです。排気ガスや空気中の汚れなど、どうしても日常的についてしまう汚れに加えて、湿気により発生するカビや苔汚れも防いでくれます。
小さな光が安心安全を与える
便利で省エネで、防犯対策にもなるという「人感センサー付ライト」も子育て家族の住宅設備機器としておすすめです。玄関・駐車場・駐輪スペースなど外周りに設置するほか、住宅内の階段や廊下に設置しても便利でしょう。外周りにおいては門灯と異なり「付け忘れていた」「消し忘れていた」なんてことがないので安心です。廊下や階段に設置すれば、夜間ミルクを作りに起きたとき・トイレに起きたときなど、部屋全体を明るく照らす照明をつける必要がないときに、家族の安眠を守りながら必要箇所を照らしてくれる、心強い存在になります。
付けずに後悔するなら付けるべき!
付けてよかった住宅設備・付けないで後悔した住宅設備の上位常連といっても過言ではないのが、「床暖房設備」です。「床暖房設備は、足裏を温めるだけのものだから贅沢じゃない?いらないよ」となってしまいがちですが、足元から放出された熱は、足裏だけでなく壁や天井に反射して部屋全体を温めてくれる優れものです。部屋の中に風が循環するわけではないため、エアコンの風が苦手な子どもや高齢者でも大丈夫。喉を痛める心配がないのもうれしいポイントです。ほかの暖房設備機器を使う機会が減るため、節電・節約も期待できます。
ゴミをゴミとしないことを教える、衛生を保つ
「家庭用生ごみ処理機」は極力ゴミを減らす、生ごみはリサイクルすることで肥料にできる等を、子どもたちに教えるにはもってこいのキッチン設備機器です。生ごみ処理機で生成した肥料を、家庭菜園等で使ってやれば、子どもたちも野菜の成長により興味関心をもってくれることでしょう。ちなみに、家庭用生ごみ処理機の電気代は処理機の種類・処理方法によって大きく異なるので、しっかりと検討して選ぶことが大切です。
三重県のHP上にて、“ごみゼロ社会実現プラン”を掲げています。また廃棄物対策局 廃棄物・リサイクル課というほかの都道府県ではあまり見られない特別な課があるのも三重県の特徴です。(平成28年8月16日現在)
キッチンの水栓には、タッチレスの水栓金具を採用すると便利です。ただでさえキッチンでは、手が汚れる作業を繰り返すもの。そこに子育てが加われば、手を洗う頻度はさらに増えますよね。タッチレス水栓金具を採用すれば、どれだけ手が汚れていても、水栓を汚したり、菌を繁殖させたりする心配はありません。手をかざしている時間だけ水が出るので、必要以上の水を出すことがなく節水に繋がります。大人以上に菌に弱い子どもたちを守るためにも、タッチレス水栓金具の採用を検討してはいかがでしょうか。
実は省エネ・節水家電の食器洗い乾燥機
予算オーバーの際に諦める設備の上位ランキング常連といえば「食器洗い乾燥機」。諦めた経験をお持ちの方・食器洗い乾燥機が付いている物件をお探しの方もいるのではないでしょうか?確かに設置・導入には、それなりに大きな費用がかかります。しかし、日々継続的に使用していくことで費やしたお金は取り返すことが可能です。
食器洗い乾燥機の機種にもよりますが、手洗いで使う水量の約9分の1程度で綺麗に洗浄してくれるものもあります。洗い物をする手間を省くことができるので、その時間を子どもと向き合う時間やゆったりする時間に充てられるのもうれしいですね。家電量販店でも購入することができるので後付けも可能ですが、スッキリとしたキッチンを目指すのならばビルドイン式のもの・キッチンに組み込まれたタイプを採用すると良いでしょう。
子育て期間、音を気にしなくて良い空間を
子育て住宅において、最も気になるのは生活音ではないでしょうか。子どもの泣き声や叫び声・ドタドタと走り回る音など、子どもに制約をもたせるのは可哀そうですが、ご近所への影響を考えるとつい「静かにしなさい!」と怒鳴ってしまう……そんな悩みをお持ちの方も少なくないと思います。
そんなときは、「防音室」を設けてはいかがでしょう。赤ちゃんが泣き止まないとき、子どもが自由に声を出して遊べるように、手のかかる子育て期間を過ぎたら、今度は楽器演奏やシアタールームとして趣味を楽しむ部屋にしましょう。戸建て住宅における防音室は贅沢に思われがちですが、設置するだけの価値はあります。特に、家にこもって何かをすることが好きな、インドア派のご家庭におすすめです。とにかく静かなので、ゆっくりと読書を楽しむ書斎や寝室としての活用もでき夢が広がります。
パパママもゆったりできる浴室
休憩時間がないと言っても過言ではない子育てにおいて、「お風呂くらいゆっくり1人で浸かりたい……」と思うこともあるでしょう。さらに、子どもと一緒にお風呂に入れる期間は決して長くはないということを考えれば、浴室の設備もある程度充実させたくなってくるものです。
たとえば、1.5坪の広々とした「システムバス」を取り入れてはどうでしょう。大人が足を伸ばしても、小学校低学年くらいの子どもなら2人は余裕で入ることができます。浴室暖房換気乾燥機や浴室保温&浴槽保温システム、フルハイビジョンの液晶テレビを設置すればもう言うことはないでしょう。
換気乾燥機のおかげで、天気を気にすることなく洗濯物を乾かすことができますし、浴室保温&浴槽保温システムは、温度差が人体に与える悪影響を防いでくれます。湯船に浸かりながらゆったりTVも楽しめるため、「見たいTVがあるから、お風呂に入りたくない!」なんて言う駄々っ子にも対応できるかも?ジェットバスを取り付ければ、温泉気分を味わうこともできます。浴室一つとっても、取り付ける設備機器次第で充実度は大きく左右されますし、お風呂の時間を苦痛に思うかどうかも変わってくるでしょう。
キッチンの水道に浄水器をつけている方は多いでしょうが、浴室にもこの機能を取り入れ、浄水器一体型のシャワー水栓を採用するのもおすすめです。お風呂でのリラックスタイムに降り注ぐ水が、より柔らかで優しいものになります。一体型の水栓(もしくはビルドイン型)を取り入れることで、据え置き型に比べてスペースをとらない・費用が安い・ゴミが出にくいといったメリットを得られます。
子育て環境では「水にもこだわってあげたい!」という方が多く、人気のある浄水器ですが、人気に伴い種類も豊富です。購入前にショールーム等で価格・交換期間や交換方法などを事前にしっかり確認して、あなたの家族にはどれが合うのかしっかり検討することが大切です。
トイレは各階に設置
マンションやアパートに住んでいるときに、マイホームの設計打ち合わせを進める方がほとんどと思いますが、その際に気づきにくいのがトイレの配置です。これまでは、ワンフロアの住宅であったために不便を感じたことがなかったかもしれませんが、マイホームを得て、階層のある家つまりは平屋以外の家に住むならば、各階にトイレの設置を検討すべきです。
子どものトイレトレーニングにも役立ちますし、家族が増えればそれだけトイレの必要性・渋滞も増えます。自分たちが高齢化したときのことを考えても、トイレは各階にあって損はありません。「話は分かるけど、うちの場合敷地が狭いから、大事な土地をトイレに奪われるのは...」という方。「タンクレスのトイレ」を選ぶことで、奥行が10cm程度小さくなり、トイレに必要な広さを軽減することができます。ぜひこちらも合わせて検討してくださいね。ちなみに右利きの人が多い日本では、左側にペーパーホルダーを設置することでトイレットペーパーの使用量を軽減することができるといわれています。小さなことですが、チリも積もれば~の節約になること間違いなし。覚えておきましょう。
HEMSで家のエネルギーを上手に管理する
平成27年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」について、三重県のHP上にて“e-すまい三重”と題して掲載されており、三重県が省エネルギー建築に力をいれていることが分かります。(平成28年8月16日現在)
「HEMS」という言葉をご存知ですか?HEMSとは、“Home Energy Management System(ホームエネルギーマネジメントシステム)”の略称で、家電や電気設備と繋いで使用するエネルギー管理システムのこと。HEMSとHEMS対応住宅分電盤に、さまざまな家電(太陽光発電・照明・エアコン・エコキュート・電気自動車など)をつないで使います。電気やガスなどの使用量を見える化したり、家電機器を自動制御したりすることで、使用料の軽減ならびに節約しやすくなる補助システムです。
HEMSという言葉に、あまり馴染みのない方も多いでしょうが、日本政府は2030年までに全ての住宅にHEMSを導入することを目標としています。これからどんどん発展・普及していく予定なので、マイホームをお考えの方は、設計段階で相談しておくと良いでしょう。HEMSを導入することで、住宅のエネルギーを上手にコントロールし、節約できたお金で旅行したり、少し高価な買い物をしたり、家族の時間を充実させられると良いですね。