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コラム

マイホーム取得時にかかる税金と取得後にかかる税金

2023.05.04

マイホームを購入するとなると、家の本体の価格ばかり意識しがちです。でも、税金を忘れて予算を設定すると大幅な予算オーバーをしてしまうことがあります。思っている以上に税金が占める割合は多いんです。税金という言葉を聞くと、気分が沈んでしまう人も多いですが、「特例」や「控除」もあります。今回は、マイホームの取得時と取得後にかかる税金についてお伝えします。

 

マイホーム取得時にかかる税金

マイホーム取得時、つまり家を建てるときにかかる税金は、工事代金にかかる「消費税」、契約書に印紙を貼る形で納税する「契約印紙税」、工事完了後、新築した家を登記するときにかかる「登録免許税」の3種類です。

 

消費税

消費税は、日々のちょっとした買い物でもかかってくる身近な税金です。2017年11月現在、8%と設定されています。100円の買い物をしたときに消費税が加わっても108円(100円×8%)なので、それほど金額を大きく感じないかもしれませんが、金額の大きなものを購入するときには、消費税の存在をひしひしと感じることでしょう。

 

たとえば、家の工事費用2000万円に消費税を加えると2160万円(2000万円×8%)で、160万円分の消費税を支払うことになります。この金額は決して小さいものではありません。さらに、今後消費税が10%に引き上げられることを想定すると、消費税が占める割合を意識して予算を組むことが、ますます大切になってきます。

 

消費税がかかるのは、家の工事費だけではありません。購入諸費用のうち、仲介手数料、ローン借入費用、司法書士報酬(登記費用の一部)などにも消費税がかかるんです。もっと細かくいえば、新しく購入する家具や引っ越し費用もあります。どの項目に消費税がかかるのか、記載されているのは消費税込みの金額なのか、きちんと確認してくださいね。

 

契約印紙税

家を買うときには「不動産売買契約」、家を建てるときやリフォームするときには「建設工事請負契約」、住宅ローンを借りるときには「金銭消費貸借契約(ローン契約)」という契約書を交わします。これらの契約書に収入印紙を貼る形で納めるのが印紙税です。その際、ひとつの契約書だけでなく、契約書ごとに印紙が必要になります。

 

売買契約書の物件価格が「1000万円を超え5000万円以下」の場合、税額は1万円といった具合に、税額は契約書の記載金額によって決められています。印紙税は、規定の金額の印紙を契約書に貼って、印鑑または署名で消印を押せば納税できます。また、印紙税のなかでも、建設工事請負契約については、税額の軽減を受けられるケースがあるので、気になる人は住宅会社の人に相談してみましょう。

 

登録免許税

登録免許税は、土地を登記する際に必要な税金。登記は、建物の権利証明するための重要な登録なので必要なものです。建物だけでなく、土地にも登記をします。新築建物の所有権の保存登記(住宅の登記)、土地や中古建物の所有権の移転登記抵当権の設定登記(住宅ローンを借りるとき)があります。登録免許税の金額は、登記目的ごとに定められた税率をかけて算出されます。

 

不動産登記は司法書士に代行してもらう人が多いです。住宅ローンを借りる金融機関や不動産会社、住宅メーカーなどが、司法書士に依頼してくれるケースがほとんどですが、司法書士依頼料を節約したい人などは、自分で手続きをしようとする人もいます。ただ、手続きが遅れたり不備があったりすると困るので、司法書士にお願いする人が多いでしょう。家を建てるときには、建物の表示登記が必要なのですが、こちらには登録免許税はかかりません。不動産会社などを介して、土地家屋調査士に手数料を支払えば大丈夫でしょう。

 

住宅の登録免許税には、税率の軽減措置があります。ただし、軽減措置の適用期間は、土地所有権の移転登記を2019年3月31日までに登記をした場合です。そのほかにも、住宅の床面積(登記簿面積)が50㎡以上であること、自宅として住む住宅であることなどのいくつかの条件がありますので、ご自身が該当するか確認しましょう。また、中古住宅の場合でも、基準を満たしていれば軽減措置を受けることができます。軽減措置を受けるための手続きは特にありません。要件を満たしていれば、軽減された税率で税額が計算されます。

 

不動産取得税

不動産を取得したときにかかる税金が不動産取得税で、支払うのは取得時の1回のみです。ただし、支払うのは購入から約半年後。新居での生活に慣れてきた頃に納税通知が来るので、事前に支払金額を確保しておかないとビックリする人もいます。不動産取得税は、マイホーム購入後に納税通知が届いてから支払うので「マイホーム取得“後”にかかる税金」ともいえますが、発生するのは、マイホーム購入時なので、「マイホーム取得“時”にかかる税金」として紹介します。

 

納税額は「不動産の工程資産税評価額×税率」です。税率は原則4%ですが、2018年3月31日までに取得した土地と建物(住宅)については3%です。そして、一定条件を満たす新築住宅なら課税標準額から1200万円まで控除されますし、認定長期優良住宅なら1300万円まで控除されます。中古住宅の場合は建築された時期によって控除額は違いますが、1997年4月1日以降に建てられた住宅なら1200万円まで控除できるでしょう。

 

さらに、平成30年3月31日までに取得した土地なら、評価額を1/2で計算することができます。また、建物に関しても軽減措置を受けることが可能なケースがあります。たとえば、床面積が50㎡~240㎡などの一定の条件を満たしている新築住宅などが該当します。軽減措置を受けるための手続きの進め方は、都道府県によってまちまちです。期間が決められている場合もあるので、土地を購入するときに不動産会社・住宅会社、都道府県の担当課に問い合わせておくといいでしょう。

 

軽減措置が適用されれば、不動産取得税は比較的安く済みますが、軽減措置が適用されなかったら数十万円になることもあります。支払うのは不動産取得時の1回だけですが、マイホーム購入前に軽減措置内容を確認しておいて損はないでしょう。

 

マイホーム取得後にかかる税金

マイホームが完成してホッとひと息つきたいところですが、ちょっと待ってください。購入後に発生する税金「固定資産税・都市計画税」があることをお忘れなく。これらの税金は、家の所有者が毎年支払わないといけないので、負担に感じる人も少なくありません。

 

毎年1月1日時点の所有者に、毎年4月頃に納税通知書が送られます。納税通知書には支払い期日が記載されているので、その期日までに納めます。年4回に分納するほか、一括で納めることもできます。

 

固定資産税

土地・建物それぞれにかかる固定資産税。固定資産の所在する市町村が課税します。(ただし、東京都23区内は、特例で都が課税している)税額は「固定資産税評価額×1.4%(標準税率)」ですが、土地については面積に応じて軽減措置がありますし、建物に関しても特例があります。たとえば、建物が新築住宅なら、新築後3~5年間は固定資産税が1/2になるというケースがあります。そのほか、一般的な木造住宅なら、新築後3年間は固定資産税の軽減措置を受けられる場合があるので確認してください。

 

ただ、軽減措置の期間を過ぎたら、支払金額の軽減措置が解除されて満額支払うことになります。なので、最初が安いからと油断していると、あとあとお金で困ることになります。軽減措置がされたからといって、ずっと少ない金額が続くわけではないと肝に銘じておきましょう。

 

先ほども申し上げた通り、固定資産税は毎年支払う税金なのですが、その金額は一定とは限りません。実は、固定資産税評価額は3年に1度見直されるんです。建物は築年数が考慮されるため、時間が経つほど評価額は安くなり、税額も少なくなっていくのが一般的ですが、土地となると話は別です。

 

駅や商業施設が建てられたり、再開発が進んだりすれば地価は高まります。このように土地の価値は、景気に左右されるため、固定資産税評価額が定期的に見直されるのです。毎年、公示価格や基準値評価額が公表されているので、固定資産税の動向をチェックしましょう。

 

都市計画税

日本全国で課される固定資産税とは違って、都市計画税は都市計画法にもとづく市街化区域だけで課されます。税収は、道路や公園、下水道の整備など街のために使われます。そのため、市街化区域以外の土地の人には課されず、比較的都会に暮らしている人に課されている税です。対象地域にお住いの人は、固定資産税とともに納付します。

 

都市計画税の税額は「固定資産税評価額×0.3%(最高税率)」です。地区町村によって税率は違いますが、上限は0.3%。土地だけですが軽減措置があり、面積に応じて課税標準額を減らすことができるので確認してみましょう。また、具体的な税率は、都道府県税事務所や市町村役場などで確認ができますよ。

 

税務署からの「お尋ね」とは?

マイホームを購入した人のなかには、税務署から「お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね」(以下「お尋ね」)という書類が送られてくる人がいます。届いた人は、「何か自分が悪いことをしたんじゃないか……」と怖くなってしまうかもしれませんが、それほど恐れる必要はありません。

 

この書類の目的は、この書類は、登記上のミスや所得の漏れ発見したり、不動産取引などが正しく行われているかを調べたりすることです。マイホームを購入すると、登記することで法務局に登録されます。そして、その売買の記録は売却した会社や仲介業者が税務署に報告します。「お尋ね」は、法務局に登録された内容と税務署に寄せられた報告内容に間違いがないかをチェックするための書類なのです。

 

どんな人に送られるのかというと、土地や建物を購入した、新築・大規模な改築をした、高級な車などを購入した、など大きな金額を使った人です。こういった人たちを対象に、高額な買い物の事実をお尋ねしています。ただ、マイホームを購入したすべての人のもとに届くわけではありません。

 

明らかに登記内容が間違っている、贈与がある、親族間で借入金があるなどの人に届くケースが多いようです。でも、データ収集のために問題がない人に送る場合もあるそうなので、ご自宅に「お尋ね」が届いたからといって過剰に心配しないでください。ちゃんと登記手続きをしたのであれば、胸を張って「お尋ね」に応えましょう。

 

記入項目は、物件の所有者、共同所有者の年齢、職業、年収、物件の内容、代金の支払い方……などいくつかの項目があります。そして、税務調査に必要な書類提出を求められるでしょう。税務署から、個別に連絡が入って確認されることもありますが、ウソは絶対についてはいけません。申告漏れ、納税逃れなどで追徴税を受けることになります。

 

お金関係の話になると、複雑になりがちですし、面倒に感じるかもしれません。ですが、ひとつひとつ、丁寧に処理していくことでスッキリ整理整頓できるはずです。税務署からの「お尋ね」があると、ドキっとするでしょうが、誰にでも届く可能性があるものなので、「まさか私の家には届かないだろう」と高を括るのではなく、きちんと自分でお金回りのことを理解するようにしておきましょう。

 

マイホーム購入の際は税金も予算に含めよう

今回は、マイホームの取得時と取得後に関わる税金をご紹介しましたが、譲渡や相続などがあると話が複雑になることがあります。特に、初めてマイホームを購入する人には、税金についての知識に自信がない人は多いでしょう。そのときは、信頼できる住宅会社・工務店に相談してみましょう。資金計画から一緒に親身に考えてくれる会社ならば、きっと耳を傾けてくれます。

 

ただし、住宅会社や工務店に任せっきりなのは良くありません。ご自身でも、勉強する気持ちを忘れずに取り組むようにしてください。マイホーム購入において、税が占める割合は意外と多いので、予算を考えるときには税を含めた額でプランニングするようにしましょう。

 

税金の種類と共に、軽減措置などもお伝えしましたが、会社によっては購入時に減税に関する手続きを行ってくれるところもあります。気になるときは、担当者の人に聞いてみましょう。また、住宅を購入する人の金銭的負担を減らすための制度もあるので、上手に活用していただければと思います。