コラム
住宅ローンを組む際には「いくら借りられるか」ということより「確実に返済できるか」ということを優先して融資を受けた方が良いでしょう。各金融機関で用意されているシミュレーションを利用すれば、住宅ローン返済額を算出することはできますが、正確な金利や返済額を把握するためには自分で計算方法を知っていくことも大切です。ここでは、住宅ローンの金利計算方法について解説していきます。
住宅ローンの計算方法を習得する前に
金利計算をするにあたり、融資する銀行の金利を調べる必要があります。ただ、その前に具体的な項目を埋める作業を行わなければなりません。まずは、次の項目をチェックしてみましょう。
・毎月の返済額をどのくらいにするか
・総返済額、利息額はいくらか
・毎月の返済額、総返済額をきちんと完済できるか
融資を受けることができても、無理のない計画を立てるためには、上記の3項目を検証することは必要不可欠です。
毎月の返済額を計算式にあてはめよう
毎月のローン返済額は、以下の計算式にあてはめると算出できます。
毎月返済額=借入額×{月利(1+月利)返済回数/(1+月利)返済回数-1}
※計算式にある月利とは、1ヵ月あたり発生する金利のことを意味しています。
※うるう年でも、1年を365日として試算している金融機関がほとんどです。
【例】
借入額:3,000万円
返済期間:35年(ボーナス返済なし)
金利:年1.0%(全期間固定金利)
返済方法:元利均等返済
上記の条件で計算式に数字をあてはめると、以下のような式になります。
=3,000万円×{0.01/12(1+0.01/12)420回/(1+0.01/12)420回-1}
これを計算すると、端数処理の仕方によっては異なる値になりますが、毎月返済額は、84,686円という金額が出ます。
総返済額を計算するには
毎月返済額が算出できたら、総返済額を試算してみましょう。返済当初は残高が多いので返済額に対する利息割合が高いですが、年数が経過するごとに利息割合は減っていきます。3,000万円(年利1.0%)で35年間返済した場合の計算式は以下の通りです。
3,000万円×年利1.0%×35年=1,050万円
1,050万円が総利息額ということになりますが、正しくは毎月残高額に月利をかけて算出してください。返済していくごとに毎月の残高は減っていくので、利息額は毎月変わってきます。
返済当初、利息支払いが多いことや元金が減らないことを実感するでしょう。住宅ローンを組む機会は、生きているうちに1度か2度あるかないかの大きな出来事です。後悔することのないよう、金利計算を行って正確な購入計画を立てていきましょう。