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コラム

松尾式床下エアコンについて

2023.05.22

床下エアコンという言葉をご存知でしょうか。

 

当社は、兵庫県にある松尾設計室の松尾和也先生という設計士の方にご指導いただいて、床下エアコンを導入しています。

床下エアコンとは?

床下エアコンというのは、このイラストにある様にエアコンの吹き出し口を床下に、吸い込み口を床の上に設置する空調システムのことを指します。

 

このようにエアコンを設置すると、床に設置した“ガラリ”という開口部から暖気が上がってきます。この開口部を、窓下やトイレ、脱衣所などに配置することで暖気の流れをコントロールすることが可能です。

 

床下エアコンは主に冬の暖房として使用します。建物の断熱性能がしっかりしていれば、家全体の暖房を1階の床下に設置したエアコン1台でまかなうことができます。

 

つまり床下エアコンは、全館空調で家の中全体が快適になるだけでなく、暖房費の節約もでき環境にも優しい、一石三鳥の仕組みなのです。

床下エアコンを設置できる条件

床下エアコンを設置するととても快適なのですが、設置するための条件があります。

 

⦁ 基礎断熱されている住宅であること

⦁ 建物の外皮性能が断熱等級6以上(6地域ならUA値0.46以下)であること

⦁ 2階へ暖気が上がっていきやすい間取りであること

⦁ 昼間の日射取得がしっかりあること

 

それぞれを解説していきます。

 

⦁ 基礎断熱

一般的な住宅は、床で断熱されていることが多いです。 床下エアコンを設置する場合は、床下に暖気を送るためのダクトとして使いますので、床下を断熱しておく必要があります。

 

⦁ 建物の外皮性能

床下エアコンを効率よく稼働させるには、建物の外皮性能がUA値0.45以下、断熱等級6以上が最低限必要です。

ZEHなどでも床下エアコンを設置する場合がありますが、どうしても冬期の暖房費が高くなりすぎます。

 

冷暖房費の事を気にするのであれば、UA値は0.4を切っておく必要があります。これは、実際にシミュレーションしてみると解るのですが、UA値が低いほど冷暖房費を抑えることが可能です。

 

⦁ 2階への暖気

床下エアコンで全館空調をする場合、2階への暖気は1階を通ることになります。

 

そのため2階は1階に比べて若干室温が低くなります。

 

このためにも外皮性能の担保と同じぐらい、暖気をスムーズに2階に送る動線が必要です。吹き抜けやリビング階段が好ましく、当社の場合はできるだけ吹き抜けを設置する方向でご提案を行っています。

 

⦁ 昼間の日射取得

三重の冬は日照時間が比較的長いのが特徴です。アメダスデータによると、三重県の日照時間は、年間で2100時間を越えていて、全国でもトップクラスです。

 

そのため、当社ではなるべく暖房費を抑える意味でも、太陽の光をしっかり取り込む提案をしています。

 

その結果として、真冬の暖房に関してはかなり節約できています。

 

6等級以上の断熱性能の家で日射の取得が上手くいくと、概ね晴れている日の朝8時から、午後4時か5時までは暖房を入れずに生活できます。

その結果として、床下エアコンの稼働時間を短くして、電気消費量を抑えるご提案をとっています。ただし、敷地条件や隣地の建物の影響などがありますので、詳しく調べてご提案していきます。

床下エアコンとエコ

各居室ごとにエアコンを設置してドアを閉め切る従来の暖房方式に比べて、家全体を1台のエアコンで空調する方がエコになって、暖房費も節約できます。

 

これは当社のシミュレーションでも比較していますが、各居室にエアコンを設置するとそれぞれが短時間暖房で動くことで、電気消費量が急激に伸びます。エアコンというのは冷たい部屋を暖めるまでに一番エネルギーを使い、一度暖まるとほとんど運転しません。

 

エアコンには運転効率(APF)という指標があります。車で言う「燃費」のようなもので、加速や減速を繰り返しながら運転するよりも、一定速度で運転しているときのほうが燃費が良い、というのと同じことがエアコンでも起こります。 各部屋ごとにエアコンを設置して、使う時にだけONにするほうが節約しているように見えますが、実際には1台のエアコンで家じゅうをまかない、常にONにしているほうが消費電力を抑えることができるのです。もちろん、先述のとおり家の外皮がしっかりと断熱されていることが前提ですが。

 

さらに、家全体が1台のエアコンですむということは、エアコン本体の購入コストも当然節約できます。各部屋に設置するために4台、5台購入し、さらに15年後に全て買い替え時期を迎えることを考えると、床下エアコンで全館空調するほうが機器代としても数十万円のお得になります。

床下エアコン まとめ

床下エアコンは、リビングを中心として床下から暖めるのでぽかぽかの建物を楽しんでいただけます。

 

エアコン1台で暖房することで電気代も安く、家計にも環境にも優しい住まいになります。

 

ただし、そのためには建物の断熱性能をしっかりと確保することと、日射を取り入れるための窓の計画、そして暖気を滞りなく流すための間取りの計画が必要です。

 

床下エアコンは快適な上に光熱費も機器代も安いので節約もでき、さらに環境にも優しい、一石三鳥のいいとこ取りです。

 

ご興味のある方は是非下記からお問合せくださいね。